3年ぶりとなるSA待望のニューアルバムは珠玉の6曲入り。
長い闇を抜け閉ざされた扉を蹴り上げたその先には
「希望」の音が降り注ぐだろう。
ヘイリトルボーイ!ヘイリトル・ガール!俺は君のヒーロー!
そしてSAは言うだろう、「さぁ!また立ち上がれ!」
3年ぶりとなるSA待望のニューアルバムは珠玉の6曲入り。
長い闇を抜け閉ざされた扉を蹴り上げたその先には
「希望」の音が降り注ぐだろう。
ヘイリトルボーイ!ヘイリトル・ガール!俺は君のヒーロー!
そしてSAは言うだろう、「さぁ!また立ち上がれ!」
DIG THE ALBUMhopesby TAISEI
SAの約3年ぶりとなるアルバム「hopes」。
まぁアルバムとは言え6曲なワケで一昔前ならばミニアルバムと言ったところかな。
ご時世的には配信、サブスクの台頭によりアルバムの意味合いが薄れて来ている昨今だが製作者側はそれはそれは全神経を集中させてアルバム通してのコンセプト、曲順、曲間を熟考しているものなんだよ。
そんな最新アルバム「hopes」。「希望たち」。
このタイトルは俺が去年8月くらいから始めたDEMO制作の時から漠然とは浮かんでいたタイトルだった。
そして去年末、トータル12曲製作されたDEMO曲から選抜した6曲を並べた時、もう迷いなく「hopes」にしようと決めたんだ。
シンプルかつ今の自分の気持ちに一番素直な言葉。そして誰もが願い、求めるそんな簡単で奥深いタイトルになったと思う。
それではアルバム「hopes」に収録された6曲を歌詞を中心に作曲過程、そして俺の想いをみんなに伝えられたらいいなと思っている。
1. BRING BACK HOME
ドアを開け「I’m home!」「ただいま!」から始まるこの曲はそれこそSAお得意のシンガロングナンバー。
ただなんだろう?
制作している時にはいわゆる今まである曲、例えばGO BARMY KIDS等の二番煎じみたいな曲を作るのはやめようと思っていた。
結論から言うと結果的にシンガロングになったってこと。もうね、狙って創ることよりフラットに、ある意味「天然」で思いのまま創る方がいいんだよね。
歌詞を書いている時には、やっぱりなんだかんだでいわゆる「コロナ禍」はしんどかったわけでそんな中、現在では戻りつつあるライブではあるが制作時はあの景色が戻ることを願い、それこそ俺たちのホームに帰ろう、失われた自信を取り戻そうという想いが色濃く出てるな。そして帰ったぞ!と言えるよう。
俺は歌詞を書く際、そう安易と「PUNK」と言う言葉を使わないようにしている。もちろんPUNKというワードが入った曲もあるが。(さらば夜明けのスカイラインなど)
やっぱりどこか安直に使いたくないしそれなりの「覚悟」と「責任」持って歌詞の中に入れているつもりだ。そしてこの曲、どうよ?PUNKでROLLときた。
ここまできたら俺ももうパンクロッカーだね笑。ずいぶん長い事時間かかったね笑。メロディーにチャックベリーが隠れてる(ん?隠れてねぇか?)のはご愛嬌。
2. 明日さえあれば
アルバムタイトル「hopes」でいこうと思ったのはこの曲が出来たからだと言っても過言ではない。何処か簡単に「永遠」とか「未来」とかを綺麗な言葉というだけで使う今の音楽シーンに違和感を覚えていた。
そんなこと言ってられない時もあるんだよ。
目を覚まして明日が来たというだけで喜びになる事もあるんだよ。
「明日さえあればいい」とは取り方によってはネガティブなイメージを受けるかもしれない。が、今の俺にとってそれこそが「希望」なんだ。
そういう意味においてこの曲はSAにとって、俺にとって何の迷い無しの「ラブソング」である。今日だけじゃイヤなんだな。未来は遠すぎるんだな。
永遠はウソくさいんだな。だからせめて明日が欲しいんだ。
誰の物でもない、紛れも無く明日は俺たちのものなんだから。
「歓びの答えは君にある」。
とても優しく素敵な言葉だ。
3. NO RAIN NO RAINBOW
実際、ある日落ち込んだ気持ちでランニングという名の散歩をしていた時、雨上がりの空に虹を見たんだ。
その空がね、小学生の半ドンの土曜日に見た空と同じだった。
いつか見た空だった。そん時思ったね、「そっか、時代は流れても空と虹は変わんねぇんだな」。
実はこの曲、もう7~8年前に一度作ってメンバーに披露した曲だったんだ。
そん時はボツになったんだけど今回ブラッシュアップしていい曲になった。
俺は圧倒的にもう「大人」。
年齢はただの数字だと誰かが言った。
それはそうなんだろう。
年齢詐称のロックンロールはもう俺には要らない。
しんどい時だってあるさ、やめたい時だってあるさ、死ぬまでロックンロール?冗談じゃないぜ。
だけど夢はあるぜ。夢の終着駅ってどこなんだろうね?
知らないし見てみたいな。
だから人は前に進めるんだろうな。
だから自分に問いかけるんだよ、
「お前今、幸せかい?」。
寅さんの好きな言葉。
4, 灰とスターダスト
男の美学は「意地」と「痩せ我慢」と「勘違い」だ。
そして男のロマンなどとは、もはや時代遅れの埃まみれな言葉に成り下がった。
俺はこのテーマを題材に何度か歌詞を書いた。B級シネマのような、救いようの無い結末のドラマのような。
だが、俺はこの世界観が大好きだ
そんな世界に酔ってみたいと思うのが男の生き様じゃないか?
おっと、生き様という言葉さえ小っ恥ずかしい今の世の中だな。
フィクションで非常に映画的な歌詞の世界観なんだが心のどっかに
「ホント、まるでこんな生き方してんなぁ」
なんて思う時もあり、そんな時は鼻で小さく笑うんだ。
70'sパンクに憧れてはいたが、俺がパンクにぶん殴られた時にはすでにピストルズはもう居なかった。
シドは死んでいた。クラッシュは理解不可能な音楽を演っていた。
そんな後追いパンクスの俺は80年代を駆け抜けたんだ。
そんな匂いがするサウンドはずっとやりたかったし俺たちが演らずにに誰がやる?そんな想いで作った。
どうだ参ったか!あの匂いプンプン。
この曲がこのアルバムに入ったことで凄く「締まった」アルバムになったと思うな。
しかしロンリーなんて言葉、今の時代シブくね?
5. オーディナリーマッドネス
「Ordinary madness」。こうタイトルにしたら多分何のこっちゃ分かんないと思ったからカタカナでオーディナリーマッドネスとした。
まぁ直訳すれば「普通の狂人」みたいな意味にはなるんだけど、最近の若者はテレビ離れが著しく情報源ももっぱらSNSときた。
我々世代(いや俺だけか?)はやっぱりテレビを見て情報を得ることが多い。(ちょっと偏見も入ってるね笑)
いや、もちろんSNSからも得てはいるけどさ。
普通にテレビに出ている連中が「善」と「悪」を神妙な顔で論じていることに近頃ますます持って胡散臭く思うようになってきている。
戦争の話題で「一刻も早い終息を願います」と言ったその舌の根も乾かぬうちに「次は誰々の不倫問題です」ときたもんだ。
そもそも自由も平和もこの人類が誕生してからあったためしははあるのかね?なんて思ってんだよね。
いつあったんだ?いつ来るんだ?
そんな時、無性にハードコアサウンドを作りたくなるんだ。
そもそもハードコアというジャンルのパンクはガキの頃からあんまり好きではなかったが
ディスチャージとGBHだけは好きだったな。
今までもSAではそんなタイプの曲を何曲か作ってきたがどうにもしっくりこなかったのも事実。
それが今回この曲でバシッとハマったな。ドラムのビート感によるところがデカい。
いわゆる「D-BEAT」ってやつだね。サビのシンプルさも絶妙だと思ってる。
(コーラスの絡み方も)。
この曲もそれこそ10年以上前にDEMOで作ったがボツった曲のブラッシュアップ。
今だったんだねぇ。
6. 敗れざる者
折れかけていた。心も気持ちも折れかけていた。
いや、本当はもうとっくの前に折れていたのかもしれない。
真っ暗闇のトンネルの中、強がって何食わぬ顔で「それでも胸張っていこうぜ!」と歌っていた。
しかし本当はそれを言えない自分が居た。その時の俺の顔は多分、随分といびつな笑顔だったに違いない。
いつだって強い人間でいることなんて無理だった。
正直な話、今回の作品は「最後の作品」くらいの気持ちだった。
人には人生がある。生活がある。守るものがある。
20年走ってきた。「お前もう、充分やって来たじゃねぇか」と自分に問いかけていた。そんな中この曲の制作に取り掛かり歌詞を書いているときにコロナ禍で声も出せず、踊れもせず、拳も挙げられない中、それでも俺たちのライブに来てくれるヤツらの顔が浮かんでは消えたんだ。
コムレイズには親父もいる。ママもいる。野球少年もいる。小さな可愛い女の子もいる。
野郎たちは「タイセイ、一緒にいきましょう!」そんな目をしてた。
少年少女は「やっぱタイセイさんは俺の私のヒーローだな!」目を輝かせている。
そんな景色が俺にはまだあるんだと思った時、
「そうだよ、落ちるわけにはいかねぇ、逃げ出すわけにはいかねぇ」って心から思ったんだ。
掲げた旗を俺が降ろすわけにはいかないと。
くさい言い方かもしれないが本当にコムレイズに手を引っ張ってもらった、そんな気持ちを歌詞にした。
悩み、嘆き、そして諦めのその先に見つけた小さな灯火のような曲だよ。
俺はこの曲に救われた。
「さぁまた立ち上がれ!」そうお前たちに言う。
そして俺自身に言おう。
「hopes」。
この作品は俺の中で正直3本の指に入るほど気に入っている。
それは嘘偽りなく今までの作品以上に「俺」が居るからだ。そして生身の「SA」が居る。
順風満帆じゃなかった事を嘆くのはもう終わりにしよう。茶化すのはもう終わりにしょう。
人生は分からない。どうなるか分からない。全部知らなくてもいい。
だが前には道が続いているんだよ。それはどうしょうもなく。輝いたり曇ったり。
捨てずにいましょうよ、内ポケットに忍ばせた、まだキラッと輝いている「希望」をさ。
SA TAISEI